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鉛色の空から、雨は細く、冷たく降る。
雨は嫌いだ。じっとりと肌に纏わりつく湿り気が、心まで染み込んで気分を重くするようだから。
傘をさしてはいたものの、何しろ偉丈夫と呼んで遜色ない体躯のビショップである、その体を覆い尽くせるはずもない。肩はすっかり雨に濡れてしまっていた。
早く家に帰って、からりと乾いた服に着替えてしまいたい。
そう思っていたのに、ビショップは我が家の前で急に足をとめた。深い緑の瞳が一瞬動揺に揺れる。
「それ」は彼の家の門の前に、まるで物のようにうずくまっていた。
青い衣はすっかり水をすって、ぐっしょりと重そうに濡れている。…ネクロマンサーだ。鉄格子のような奇妙な覆面には見覚えがある。
(…子供?)
所在げなく座りこんだネクロマンサーの体は小さく、ひどく幼く見えた。
一体どれほどの間そこにいたのだろう。厚手の生地は、絞れば濡らした雑巾程に水を滴らせそうだ。
そばで膝をついても、気づく様子もない。既に力尽きたのだろう。降りしきる氷雨は彼の体力を容赦なく奪ったはずだ。
このネクロマンサーが誰なのか、ビショップは知らない。そして、知らない人間を簡単に家に上げるほど、ビショップは迂闊な性格ではなかった。
けれど。
抱き上げてみた体は思っていたより少し重い。邪魔になった傘は地面に置いた。にわかに、水滴がビショップの体をも叩き、体を濡らしていく。
この小さな存在をすくい上げてやらなければ。本能にも似た使命感がごく自然に彼を動かした。ビショップは極めて穏やかな心でネクロマンサーの保護を決めたのである。
雨は細く、冷たく降る。ならば傘を差してあげよう。雨風をしのげる屋根を貸そう。
この出会いが後に自らの人生に大きく関わることを、この時点でビショップはまだ知らない。
* * * * * * *
前に書いた「羽毛布団」の二人の過去話です。
「良い人過ぎて、犬猫みたいに人も拾ってきちゃうBIS」が書きたかっただけとも言いますね^^
もしかしたら続くかもしれないです。
あ、氷雨(ひさめ)っていうのは、RSではアチャスキルのウォーターフォールの事ですが、もともとは「氷のように冷たい雨」っていう意味らしいです。詩的ですね。それに、確かに「滝アチャ」よりは「氷雨アチャ」の方がかっこいいです><
眠いです。寝ます。
ではまたノシシ
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